過去ログ - 二宮飛鳥「彼女はまるで」相葉夕美「お花のようでした」
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6: ◆kiHkJAZmtqg7[saga]
2016/06/26(日) 21:46:05.34 ID:VOfVP3iH0
「えっ?」

「いや、妙なことを頼んですまない。この天気にも関わらず飛鳥が屋上から降りようとしないんだ。夕美からも声をかけてやって欲しい」

夕立のなか事務所に戻ってきた私に伝えられた言葉。

プロデューサーさん曰く、もう2時間以上も何をするでもなくただ屋上にいるのだという。

雨が降り始めたのは30分ほど前。何の理由もなしにそうしているとは思えない。

もしかして。心当たりはあったけど、それはあまりに些細なことで。

でも、思い出してしまったんだ。

昔の自分。頑張って育てていたお花を初めて枯らしてしまった時のこと。

幼い私は悲しくて、悔しくて、わんわん泣いてた。ごめんなさい、って、お花に謝りながら。

そんな想いを彼女が抱いていたとして、どこに不思議があるだろう?


気付けば、私は早足で事務所の階段を上っていた。

もし、飛鳥ちゃんが何か言葉を待っているのだとすれば、それはきっと私のそれだと思うから。

でも、屋上の扉を開いた瞬間、ほんの少しだけ頭が真っ白になった。

何故って、だって。

寂しげな表情で空を見上げる飛鳥ちゃんが、余りにも儚げで。

全身びしょ濡れのその姿が、まるで泣いているように見えて。

そう、今にも散ってしまいそうだったのだ。



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