192:名無しNIPPER[saga]
2016/07/15(金) 02:40:25.60 ID:ccBvDrOG0
観測者「ここは過去や未来でも異国でも異星でも、はたまた異世界でもない。紛れもなく西暦2017年の日本だよ」
男「……は?」
男「俺にも、わかるように言ってくれよ」
観測者「君だってなんとなく気づいていたんじゃないかい?」
観測者「ここは、いわゆる小人の世界なんだよ」
男「……!」
観測者「近年、地球の人口はますます増加。途上国の発展も手伝って、世界のエネルギー消費量は増す一方だ」
観測者「地球の資源の枯渇が何を招くか。それは世界恐慌なんか比にならない程の大混乱時代……」
観測者「僕たちはそれを避けるために、エネルギー消費量削減の研究をしていた」
観測者「『ドラえもん』、読んだことあるだろ?あれでミニハウスってあるじゃないか。のび太くんたちがミニチュアの家で夏を過ごす話。僕はアレをなんとか実用化出来ないかって考えたんだ」
観測者「もともとある程度確立されていたクローン技術の応用と、ネズミとかの遺伝子を組み換えて、ヒトに限りなく近い小動物が完成……」
観測者「で、ここから大事な話なんだけど、ヒトの記憶の移動。ヒトの『心』をデータ化するのは骨が折れたよ……『心』をその小動物に移し替え、記憶を継承した小人が出来上がるわけだね」
男「…………」
観測者「ここは様々な計測のために地球に似た空間を形成して、そこにヒトガタ小動物……長いね、『ひと』って言うよ?『ひと』や虫、魚なんかを住まわせて文明の発展やらを観察するための世界なのさ。僕自身もその中で生活しながら観測していた」
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