14:名無しNIPPER
2016/06/29(水) 12:46:14.32 ID:i4J8B5po0
まゆ「すいません……お見苦しい姿を」
目を真っ赤に、涙声のまゆはまだ手で目を擦っている。
タオルを渡すとまゆはゴシゴシと濡れた顔を拭い、それからもう一度すいません、と謝ってきた。
まゆ「こんな、みっともないところをPさんに見られてしまうなんて…まゆ一生の不覚です…」
P「そうか?女性の泣き顔って色っぽくて良いと思うけどな」
まゆ「…普段は絶対そんなこと言ってくれないのに」
P「そりゃあ、まゆはいつも可愛いからな。わざわざ言う必要がないだけだよ」
まゆ「Pさんの前では、常に可愛い女の子でいたかっただけですよぉ…」
いたかった、か…。まゆの中ではもう過去形になっちゃったんだな…。
まゆ「…Pさん?」
P「ん?」
まゆ「…もう、駄目なんですか?」
何が、と聞き返そうとしたがまゆの沈痛な表情を見て咄嗟に口を紡ぐ。慎重に言葉を選ばないといけない。
まゆ「お医者さんからお話は聞きました。…でもまゆは、Pさんの口から改めて聞きたいです」
P「…誰に聞いても同じだと思うぞ?」
まゆ「それでもいいんです。…お願いします」
まゆ「Pさんの口から聞いて、諦めたいんです」
ついさっきまで泣いていたせいで真っ赤な瞳で、まっすぐこちらを見つめてくるまゆ
ステージの上でも笑顔のまゆが、真剣な顔で俺の言葉を待っている
P「…わかった」
俺はプロデューサーなんだ、どんな時でもアイドルと正面から向き合う義務がある
それにまゆの泣き顔なんてもう見たくない
一度深呼吸して、心と頭を整えてからまゆに向き直り、彼女の望む言葉を、彼女の希望を奪い去る言葉を、告げる
P「残念だけど…もう、手の施しようが無いそうだ」
再び病室にまゆの慟哭が響く
希望を打ち砕かれた彼女の、悲鳴のような泣き声が
いつまでも、いつまでも病室に響き続けた
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