過去ログ - 提督の休日 -SS速報VIP

過去ログ - 提督の休日

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137:名無しNIPPER
2017/02/04(土) 09:54:23.58 ID:R3UANExVO
吹雪「･･････」

言うべきか言うまいか迷いましたがどうせ見抜かれているのです。言ってしまいましょう。

吹雪「怖いんです。初めてかかる病気が、すごく怖いんです」

吹雪「私達艦娘は元は軍艦の姿をしていました。だから病気にかかることはありませんでした。
　　　もし体のどこかが不調でも気分が悪くなることなんてありませんでしたし、整備の人たちに直してもらえればまた動くことができました」

吹雪「でも今は違います。頭の奥が痛くなって、お腹のあたりが内側からムカムカしてくるのなんて初めてで、どうすればいいのか分からないんです。
　　　それが不安で仕方なくて･･････」

艦娘として人の姿で生まれてからは出撃で怪我をするのは当たり前でした。それらの傷はドックで入渠すれば治ります。
でも病気は怪我とは違って、自分の体の中のそれと向き会わなければいけません。
ただの風邪ですが、私は初めて味わうその感覚に戸惑い、不安を感じていたのです。

提督「なるほど」

それまでずっと黙って聞いていた司令官が口を開きました。

提督「そうだったのか。話してくれてありがとう」

提督「まあ、俺にできるのはあくまで君の病気が治るのを手伝うことだけだ。最後にそれを治すのは君自身だよ」

ずり下がっていた毛布をかけ直して、司令官が続けます。
　　　
提督「気をしっかり持てば大丈夫だ。俺は夜までここにいるから、何かあったら言ってくれ」

司令官が傍にいてくれることに少なくない安心感を覚えながら、目を閉じます。

吹雪「おやすみなさい、司令官」

提督「おやすみ、吹雪」

温かい毛布とカーテン越しの穏やかな日差しの中、私は眠りにつきました。

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