過去ログ - 男「リビングデッド・ジェントルマン」
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◆XkFHc6ejAk
[saga]
2016/08/05(金) 22:49:35.94 ID:DSwJzmDy0
男「くっくっく……あっはっはっは」
男(思えば、とっくの昔に、死ぬ覚悟なんて忘れてしまったのかもしれないな)
男(ああ、滑稽な事だ。さんざん死にたがっていたくせに、いざ目の前にすると、恐怖で動けない)
男(……この洞窟には、一体……何がいる……いや、何がある?)
男「私は、行かなくてはならない」
男(そう言い聞かせ、私は震える脚を強引に動かす)
男「……ッ!!」
男(一歩進むごとに、言いようのない恐怖が肌を貫いていく)
男(本当に……何があるんだ……この中には……)
青年「男さん!」
男「! 青年君……!? どうして此処に」
青年「少年君が教えてくれて……それで」
男「……」
男(後ろの三人は何も言わない。あの子はまだよく分かっていないようだが)
男(なるほど……青年君の意思を汲んで来た、と言ったところか)
青年(……なんだ、これ……寒気が止まらない……)
青年(こ、声を出すので精一杯だ……何なんだ、此処)
青年(男さんには死んでほしくない、けど、僕が何か出来る訳でもない)
青年(……男さんも震えてる。あの人もきっと怯えてるんだ)
青年(……僕は、どうしたい?)
(きみは、どうしたい?)
青年(この声は――)
青年「……男さん、貴方に会えて良かったです」
少年「!」
青年「僕の存在を教えてくれて……本当の僕を見据える事が出来ました」
女「……」
青年「だから、最後に……聴いてください。初めて会った時の曲を」
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