27: ◆OVwHF4NJCE[saga]
2016/07/01(金) 00:31:19.50 ID:PfRiXHRX0
「奏は、奏だよ。誰が何と言おうと……昔からずっと俺のパートナーの、速水奏だ」
彼はこうやって、こういう時に欲しい言葉をくれる人だから。
それに甘えてはいけないって、頭ではわかってる。
彼とは背中を預け合う関係で、寄りかかっちゃいけない関係なのだから。
だって私は私はアイドルで、彼はプロデューサー。
けど今の私は疲れているからか、お酒に酔っているからか……普通じゃなくて。
「……それはプロデューサーとしての言葉? それとも、一人の人間として?」
そんなことを、つい聞いてしまっていた。
私の問いかけが意外だったのか、固まってしまっている彼を横目に、私はマスターを呼んで、一つのカクテルを耳打ちで注文した。
あの時の過ちを繰り返そうとしている。それはわかっているのに、止まらなかった。
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