過去ログ - 藤居朋「あたしの道標」
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1:名無しNIPPER[saga]
2016/07/01(金) 00:08:04.50 ID:gbwV73Yk0


悪い夢を見た。

アイドルを辞める夢だ。

そして目が覚めた。


壁の時計は、まだ早朝とも呼べない時間を指している。




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2:名無しNIPPER[saga]
2016/07/01(金) 00:08:37.03 ID:gbwV73Yk0

“夜に見る夢の良し悪しは、前日の運勢と当日の運勢、どっちで決まるのかな”

なんてくだらないことを考えながら、また瞼を閉じる。

以下略



3:名無しNIPPER[saga]
2016/07/01(金) 00:09:43.68 ID:gbwV73Yk0

「ふわぁぁ〜……」

「……って! も、もうこんな時間!? い、急がなきゃ!」ピッ

以下略



4:名無しNIPPER[saga]
2016/07/01(金) 00:10:37.24 ID:gbwV73Yk0

「お、おはよー……」

「あ、朋、おはよ……って、なんか疲れてる?」

以下略



5:名無しNIPPER[saga]
2016/07/01(金) 00:11:36.86 ID:gbwV73Yk0

海は、朋とほぼ同時期にアイドルになった、いわば同期と呼ぶべき存在だ。他には、井村雪菜というアイドルも同期である。

とは言っても、まだアイドルになってからさほどの時間は経っておらず、毎日レッスンや小さな仕事をいくつかこなすだけの日々ではあるが。

以下略



6:名無しNIPPER[saga]
2016/07/01(金) 00:12:27.94 ID:gbwV73Yk0

「……」

「あれ? どうかした?」

以下略



7:名無しNIPPER[saga]
2016/07/01(金) 00:13:32.28 ID:gbwV73Yk0

軽い調子でのやり取りであったが、朋自身としても、気になっている事であった。
どうしても、その日の運勢、つまり占いの結果が頭をよぎってしまう。

良い結果だった時は思い切った動きができる。
以下略



8:名無しNIPPER[saga]
2016/07/01(金) 00:14:10.76 ID:gbwV73Yk0

多少、調子にムラはあったものの、朋は少しづつ、アイドルとしての階段を上がっていった。

そんなある時、大きな仕事が入ってきた。なんとテレビに出演できるというのだ。
短い1コーナーのロケではあるが、朋にとっては今までにないほどの大舞台。
以下略



9:名無しNIPPER[saga]
2016/07/01(金) 00:15:31.81 ID:gbwV73Yk0

ピピピピ ピピピピ

「うぅ〜ん? …………」

以下略



10:名無しNIPPER[saga]
2016/07/01(金) 00:16:02.87 ID:gbwV73Yk0

(コンビニ……も寄ってられないわ……!)

この日は毎週買っている占い雑誌の発売日であったが、とても買う時間はなさそうだ。

以下略



11:名無しNIPPER[saga]
2016/07/01(金) 00:16:42.28 ID:gbwV73Yk0

結局、事務所に到着したのは、出発予定時間の直前。
すぐにプロデューサーは、車を用意するため外に出て行った。

自分も行こうかとソファを立った時、事務所に入ってきたのは井村雪菜だった。
以下略



12:名無しNIPPER[saga]
2016/07/01(金) 00:17:38.95 ID:gbwV73Yk0

(あ! そうだぁ!)

星座占いの結果を見た雪菜が、いたずらっぽい笑みを浮かべる。

以下略



13:名無しNIPPER[saga]
2016/07/01(金) 00:18:35.39 ID:gbwV73Yk0

結論から言うと、その日の朋の仕事は最高の出来であった。

与えられた役目はしっかりこなし、話を振られれば当意即妙の返しを見せ、さらに周囲のサポートまでこなす完璧な立ち回り。

以下略



14:名無しNIPPER[saga]
2016/07/01(金) 00:19:19.80 ID:gbwV73Yk0

さて、そうして事務所に戻って来た朋とプロデューサー。
時刻は夕方と呼ぶには少しだけ早いくらいか。
そのまま、プロデューサーは他のアイドルの送迎に向かい、部屋には朋1人となった。

以下略



15:名無しNIPPER[saga]
2016/07/01(金) 00:20:09.98 ID:gbwV73Yk0

手に取ると、そこには雪菜のカワイイ文字で

『ごめんなさい!』

以下略



16:名無しNIPPER[saga]
2016/07/01(金) 00:20:55.43 ID:gbwV73Yk0

恐らく、雪菜は軽くからかう気持ちで、ウソの順位を教えたのだろう。
その訂正を聞かずに、自分は仕事に向かって行ってしまった。

いや、そんなことはどうでもいい。
以下略



17:名無しNIPPER[saga]
2016/07/01(金) 00:21:55.03 ID:gbwV73Yk0

これが朋でなかったら。

「ああ、占いなんて気にせずに、自分のできることをやればいいんだ」

以下略



18:名無しNIPPER[saga]
2016/07/01(金) 00:22:49.22 ID:gbwV73Yk0

(あたしは……今日は……いい仕事ができたけど……)

(でも運勢は……)

以下略



19:名無しNIPPER[saga]
2016/07/01(金) 00:23:23.91 ID:gbwV73Yk0

(運勢は……)

(占いは……)

以下略



20:名無しNIPPER[saga]
2016/07/01(金) 00:24:07.23 ID:gbwV73Yk0

「ただいま……あれ? 朋だけ?」

事務所に帰ってきたのは海。

以下略



21:名無しNIPPER[saga]
2016/07/01(金) 00:25:31.89 ID:gbwV73Yk0


朋が、少しずつ、言葉を紡ぐ。

海は、時折、相槌をはさみながら話を聞く。
以下略



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