過去ログ - 飛鳥「プロデューサーがエナドリの飲みすぎで死んだ」
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1:名無しNIPPER[saga]
2016/07/01(金) 03:17:56.57 ID:ML0M3i7n0
いつもと変わらない風景、とりとめのない会話。
そんな当たり前の連続を日常と表現するのなら、それはあまりにも不安定でか細いモノの積み重ねだ。
ボクはそれがようやく理解った。

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2:名無しNIPPER[saga]
2016/07/01(金) 03:19:18.33 ID:ML0M3i7n0
その日、事務所にプロデューサーの姿はなかった。
この時間ならデスクワークでもしてるのかと思っていたけど、どうやら当てが外れたらしい。
何人ものアイドルを担当する彼は多忙だ。急な打ち合わせが入ることもままある。


以下略



3:名無しNIPPER[saga]
2016/07/01(金) 03:20:37.53 ID:ML0M3i7n0
翌日になってもプロデューサーは事務所に来ない。
ちひろさんが何度も彼の携帯にかけてみるが、無言のまま受話器をおろすばかりだった。

事務所にいるみんなも、その様子を見て様々な反応をしている。
不安そうにする者、怒り出す者、慌てふためく者、いつもと変わらぬよう努める者、ただ祈る者。
以下略



4:名無しNIPPER[saga]
2016/07/01(金) 03:22:25.65 ID:ML0M3i7n0
その日の夜、ちひろさんがプロデューサーの住むマンションを訪ねることになったらしい。
らしいというのも、連いてきかねない子も何人もいるので、アイドルの皆には事後報告にするつもりだったようだ。

結果論だが、その選択は正しかった。

以下略



5:名無しNIPPER[saga]
2016/07/01(金) 03:23:44.78 ID:ML0M3i7n0
死因の結果は、カフェインの過剰摂取による心臓発作。
プロデューサーはワイシャツ姿でPCデスクに突っ伏し、辺りにはエナジードリンクの空瓶が散乱していたとワイドショーが報道していた。
コメンテーターがエナドリによる死亡事故の前例を持ち出して危険性について語っている。

芸能界での情報の早さといったら、怖いぐらいだ。
以下略



6:名無しNIPPER[saga]
2016/07/01(金) 03:25:20.06 ID:ML0M3i7n0
今日はプロデューサーの葬儀が執り行われる。

「せめて最後くらいは静かに送らせて頂きたいので……」

遺族の方の要望で、ボク達は参列を許されなかった。
以下略



7:名無しNIPPER[saga]
2016/07/01(金) 03:26:12.71 ID:ML0M3i7n0



別れを迎えたからとしても、問題が同じく解決するわけではない。
心の傷は時間が解決してくれると言うが、その逆も然りだ。
以下略



8:名無しNIPPER[saga]
2016/07/01(金) 03:27:02.38 ID:ML0M3i7n0
まず最初は、まゆさんだった。

彼女はプロデューサーの急逝を聞いた瞬間に倒れた。
目を覚ました後もプロデューサーさん、プロデューサーさん……と、うわ言のようにつぶやき、ふらふらと事務所内をさまようだけだ。
元来薄めだったハイライトも消え、その瞳には生気が全く感じられなかった。
以下略



9:名無しNIPPER[saga]
2016/07/01(金) 03:28:51.63 ID:ML0M3i7n0
「まゆちゃん、ずっと部屋から出てこないね……」

食堂で夕食を食べながら、向かいに座る美穂さんが心配そうにつぶやく。


以下略



10:名無しNIPPER[saga]
2016/07/01(金) 03:30:24.84 ID:ML0M3i7n0
「まゆちゃん、起きてるかな?」

まゆさんの部屋の前。数回のノックをした後、美穂さんが遠慮しがちに話す。返事はない。


以下略



11:名無しNIPPER[saga]
2016/07/01(金) 03:33:37.00 ID:ML0M3i7n0
寮監さんに事情を説明し、マスターキーを使い部屋を確認することになった。
時間にして数分。まゆさんの部屋の前に戻ると、2人がドアを叩きながら名前を呼び続けている。
その騒ぎを聞きつけ他のみんなも集まっていた。


以下略



12:名無しNIPPER[saga]
2016/07/01(金) 03:34:30.89 ID:ML0M3i7n0
「まゆさんっ!」

寮監さんの制止もきかず、刹那的に部屋に飛び込む。


以下略



13:名無しNIPPER[sage]
2016/07/01(金) 03:37:20.76 ID:CO7NplG8o
まあなんとなく察せられるし嫌いじゃないからいいんだけどやっぱり最初に注意書きとしてアイドルが死ぬ旨は書いとくべきじゃないかと思うんだ


14:名無しNIPPER[saga]
2016/07/01(金) 03:38:17.04 ID:ML0M3i7n0
まゆさんはすぐに救急車で病院に搬送された。
幸い、発見も早かったために一命を取り留める。
しかし、彼女の左手には痛々しい傷痕が残る。
抱えていた日記帳の中身はプロデューサーへの想いを綴ったもので、元々が真っ赤な表紙のそれは、いまは持ち主の血を浴びて赤黒く変色していた。

以下略



15:名無しNIPPER[sage]
2016/07/01(金) 03:39:31.72 ID:CO7NplG8o
死んでなかったね、申し訳ない


16:名無しNIPPER[saga]
2016/07/01(金) 03:39:32.08 ID:ML0M3i7n0
また、女子寮内部で起きたことで一部の寮生――主に小学生の子たちは大変なショックを受けてしまった。

仁菜は『もう誰も仁菜の前から消えちまわないでくだせー……一人ぼっちは嫌でごぜーます……』と常に誰かと一緒にいるようになった。

反対に、雪美とほたるは塞ぎこんで必要最低限の交流しか持とうとしない。
以下略



17:名無しNIPPER[saga]
2016/07/01(金) 03:41:06.61 ID:ML0M3i7n0
連日の報道により、地方から上京している一部のアイドルの親は、プロダクションそのものへの不信感を抱き始めている。
大切な娘をこの事務所に預けて大丈夫なのか、と。


ある日の夜、寮の廊下の角で電話をする忍さんを目撃した。
以下略



18:名無しNIPPER[saga]
2016/07/01(金) 03:42:40.01 ID:ML0M3i7n0
「私が飲みに誘っていたから、プロデューサーさんに余計無理をさせていたの……」

深刻なのはコドモだけでない。楓さんは後悔と自責の念に駆られていた。


以下略



19:名無しNIPPER[saga]
2016/07/01(金) 03:44:17.98 ID:ML0M3i7n0
「プロデューサーさんは、私が殺したようなものなんです」

「そんなことないから……ほら、楓ちゃん、何か食べましょう?このままじゃ倒れちゃうわよ」

「早苗さん……すみません、お腹、空いてませんので……」
以下略



20:名無しNIPPER[saga]
2016/07/01(金) 03:46:09.26 ID:ML0M3i7n0
「すみません!この病院に高垣楓が運ばれたと事務所に連絡がありまして……千川と申します」

「関係者の方ですね、そちらの方も?」

「はい、同じ事務所に所属している子です。この子も一緒にお願いします」
以下略



21:名無しNIPPER[saga]
2016/07/01(金) 03:47:35.62 ID:ML0M3i7n0
奥の個室に案内され中に入ると、ベッドで眠ってる楓さんがそこにいた。
左手のひじからはチューブが伸び、点滴を打たれている。


「栄養失調です。健康に支障をきたす体重の数値を限界体重を言うのですが……いまの彼女はそれを下回っていて危険な状態です」
以下略



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