過去ログ - 速水奏「The Dark Side of the Moon」
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15:墓堀人[saga]
2016/07/01(金) 12:43:10.29 ID:kj4bVlfs0
「そう?でも今の文香ってば、かなり色っぽい顔してたわよ?」


私は意地悪な顔で、彼女をちくりと刺してみる。

すると彼女の顔は桃から朱に変わり、華奢な白い手でそれを隠してしまう。


「え…いや……そのような…ことは……」


その初心な反応に味を占めた私の嗜虐心は、更に追い詰めろと言わんばかりに私の口を滑らせる。


「そんな顔されたら男の人は堪らないでしょうね。うふふ、文香って意外と魔性?」


くすくすと私が笑うと、文香は耳まで真っ赤にしながらそれを否定する。


「いえ、その、別にわざとでは…」


何だかこんなやりとりを昔にも交わした気がする。彼女ではない、別の誰かと。

心の中に暖かいものが溢れ、自然と笑みが零れる。


「ふふふ、文香ってばいい大人なのに、まるで子供みたい」


馬鹿にしている訳ではない。心から、その純真を羨ましいと思っているだけだ。

いやあるいは妬ましいのかも知れない。

変わらずに、ありのまま成長していった友人の綺麗な姿に、少しだけ。



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