過去ログ - 速水奏「The Dark Side of the Moon」
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墓堀人
[saga]
2016/07/01(金) 12:51:41.13 ID:kj4bVlfs0
「文香、私貴方が妬ましいの」
「…それは…どうしてですか?」
彼女の声は平坦だ。
「私と同じなのに、私と違うから」
彼女はピクリとも動かない。
「貴女が表で、私は裏側。貴女が輝きの世界に生きる頃、私は暗い星の向こう」
もう一度涙がこみ上げる。明るい世界歩けなかった悲しみが、腹の底からこみ上げてきたのだ。
同じ星の上なのに、違う世界に生きてきた彼女への暗い気持ちが、ゆっくり首をもたげてくる。
「そう…ですか…」
そう言って彼女は私の肩に手を伸ばす。首の後ろで両腕が出会った瞬間、彼女は強くゆっくりと私を抱きしめた。
「それでも貴女はここにいます……こうして手を伸ばせば…貴方の裏側に触れる事が出来ます…」
彼女の体温を身近に感じる。
まるで2人が1人になるような、心地の良い温度。
「月に暗い部分なんてありません…どんな星も…誰かに照らされなければ全て真っ暗なんです…」
彼女が私の耳元で諭すように呟く。
私は意味を知るより先に、彼女の体を抱き返していた。
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