過去ログ - 速水奏「The Dark Side of the Moon」
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31:墓堀人[saga]
2016/07/01(金) 12:55:59.05 ID:kj4bVlfs0
いた。


案の定壁際の隅の方に佇んでいるが、その隣には見知らぬ人が立っている。

グラスを両手に持って縮こまる彼女と、その目の前で軽薄そうに笑う男。

結婚式は格好の出会い場だとよく言うが、彼女の困った笑顔は見たくなかった。

こんな時、なんて言って割って入ろうか。

やっぱりここは、定番の。



「私の連れに…何か御用?」



「え?」

「………奏さん」



まるでこの子の彼氏のようだけど、たまにはそういう遊びもいいだろう。



「あ!?奏ちゃん!?速水奏ちゃんでしょ!?うわー!始めまして!俺っ…!」



大げさに興奮するその男を横目に捕らえつつ、私は文香の手を引いた。


「文香、行きましょ。あっちで伊吹達が呼んでるわ」

「え…あ、はい…」


文香は未だ私の意図を汲んでくれていないようだが、まぁいいだろう。


「あれ!?ねぇ…俺も…」


男はしつこく話しかけてくる。

私は人差し指を唇にあて「また後で」と囁くと、間抜けな面した男をその場に置いて私と文香は歩き出した。


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