176: ◆HUg149YDMA[sage saga]
2016/07/14(木) 01:11:20.17 ID:8XjtunXF0
講堂は思ったよりずっと埋まっていた。
中々の盛況ぶりに、OBとして鼻が高くなる。
隣にいる人が、私達に気付き声を上げようとすると、そっと絵里が人差し指を口の前に立ててウィンクする。
177: ◆HUg149YDMA[sage saga]
2016/07/14(木) 01:11:51.64 ID:8XjtunXF0
「花陽ちゃん、乗り越えたみたいやね。」
希の言う通り、花陽の表情は今までμ'sで歌ってきた以上の凛々しさが伝わってきた。
「みなさん、今日は私達のライブに来てくださってありがとうございます。この歌は、今を悩んでいる人、あと一歩が踏み出せない全ての人へ送る応援の歌です。」
178: ◆HUg149YDMA[sage saga]
2016/07/15(金) 01:09:09.85 ID:DFgXzica0
「始まったわ!キャー亜里沙ーーー!」
絵里はもう、恥も外聞もないほどのシスコンっぷりね。
さっきまでのKKEはどこへやら、ここにいるのは只の妹バカだった。
179: ◆HUg149YDMA[sage saga]
2016/07/15(金) 01:10:08.06 ID:DFgXzica0
私達のいないアイドル研究部のステージを外側から眺めるのは、すごく奇妙な感覚だった。
今すぐにでもあの場に立ちたい。
希を見ると、たぶん同じことを考えてたんだと思う。
180: ◆HUg149YDMA[sage saga]
2016/07/15(金) 01:11:03.66 ID:DFgXzica0
もう、あそこは私達の居場所じゃないんだっていう喪失感。
後輩たちが立派にステージに立っている事を誇らしく思う気持ち。
色んな気持ちがごっちゃ混ぜになっている。
181: ◆HUg149YDMA[sage saga]
2016/07/15(金) 01:12:07.49 ID:DFgXzica0
ひとしきり感慨に浸ると、徐々に粗が見えてくるのは性格なのかしら。
雪穂と亜里沙の動作が拙いのはある意味仕方がない。
私達だってそうだったんだから。
182: ◆HUg149YDMA[sage saga]
2016/07/15(金) 01:12:49.68 ID:DFgXzica0
穂乃果が、輝いていない・・・。
183: ◆HUg149YDMA[sage saga]
2016/07/15(金) 01:14:11.70 ID:DFgXzica0
ライブが終わって、部室に行こうかって話もしたけど、きっと今頃達成感で一杯だろうから水を差すのは止めておきましょう、と言う事になった。
帰りに私達は近くのファミレスで今日のライブについて話していた。
184: ◆HUg149YDMA[sage saga]
2016/07/15(金) 01:15:18.43 ID:DFgXzica0
「エリチは実際、亜里沙ちゃんが真面目に歌って踊る所は初めて見たん?」
「ええそうよ。あぁ亜里沙は最高だったわ。誰か映像で残してないかしら。」
「ヒデコちゃん辺りが残してるんやない?誰かさんが以前やったみたいにね。」
185: ◆HUg149YDMA[sage saga]
2016/07/15(金) 01:16:35.31 ID:DFgXzica0
このまま喋らせていても良いんだけど、長そうだし、私はさっそく本題をついてみた。
「ところで、今日のライブ、どうだった?」
私の表情に気が付いたのか、2人とも神妙に考えている。
186: ◆HUg149YDMA[sage saga]
2016/07/15(金) 01:18:16.42 ID:DFgXzica0
「亜里沙と雪穂ちゃんに関しては、仕方がないと言える範囲内ではあるわね。」
絵里も私と同じ意見ね。
むしろ、やり始めの私達に比べたら、ずっと良かったかもしれないくらい。
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