162: ◆PU9YxOvRdg[sage saga]
2016/07/03(日) 17:18:44.57 ID:6jlu7Hr00
大和「いいえ、提督の考えはもう私には分かりませんでした……だから、ただの勘です。でも理屈っぽいのは変わらないと思ったから、不意打ちには弱いんじゃないかって……」
提督「……理屈っぽいか。先ほど同じようなことを言われたな。確かにあのタイミングで攻められるなど予想だにしなかったが……よくそれで部下が付いてきたな」
163: ◆PU9YxOvRdg[sage saga]
2016/07/03(日) 17:19:17.81 ID:6jlu7Hr00
大和「深海棲艦は生前の未練や執着、欲望、本能といったものに強く影響を受けます。私たち艦娘の場合は……戦うことです。
これは私たちに中にある、在りし日の戦艦の魂がそうさせるんです。でも……貴方は違う」
164: ◆PU9YxOvRdg[sage saga]
2016/07/03(日) 17:19:51.83 ID:6jlu7Hr00
大和「それでも今、貴方は深海棲艦としてここに居る……何か、戦争の終結以外の強い欲望ができたんですね……?」
提督「ああ」
165: ◆PU9YxOvRdg[sage saga]
2016/07/03(日) 17:20:20.84 ID:6jlu7Hr00
大和「でも、提督は勘違いしています……私は貴方を憎んでなどいません」
提督「嘘を吐くな。私の慢心がお前を沈めたのだ……恨まれて当然だ」
166: ◆PU9YxOvRdg[sage saga]
2016/07/03(日) 17:20:54.86 ID:6jlu7Hr00
提督「私は……」
提督「ずっとお前を待っていた。毎朝、波止場に行ったあと、浜辺を歩いて……少しでもお前の名残がないかと探していた。
167: ◆PU9YxOvRdg[sage saga]
2016/07/03(日) 17:21:28.11 ID:6jlu7Hr00
提督「大和……」
大和「……はい」
168: ◆PU9YxOvRdg[sage saga]
2016/07/03(日) 17:21:58.81 ID:6jlu7Hr00
大和「だ、だって仕方ないじゃないですか。深海棲艦になったらそういう考えしかできなくなるんですから。提督にだってわかるはずです!」
提督「分かるとも! 分かるが……納得がいかん。しかも最後の最後でこんな考え無しに敗れるなどと……!」
169: ◆PU9YxOvRdg[sage saga]
2016/07/03(日) 17:22:33.83 ID:6jlu7Hr00
提督「……はぁ……まったく……」
提督「だがまあ……これで手打ちにしよう。お前にも非があると言うのなら、これでおあいこだ」
170: ◆PU9YxOvRdg[sage saga]
2016/07/03(日) 17:23:38.46 ID:6jlu7Hr00
提督「はは……だが安心した。お前も姿かたちは少し変わったみたいだが、根っこの部分は変わってないようだな」
大和「それはそうです。深海棲艦は感情の優先順位と言いますか、思考の方向性が変わるだけで本人であることには変わりありませんから」
171: ◆PU9YxOvRdg[sage saga]
2016/07/03(日) 17:24:12.85 ID:6jlu7Hr00
提督「お前は私の記憶を消していたようだが、そんな簡単に弄れるものなのか? もしそうならば、私は何が真実なのか分からなくなる」
大和「いいえ。提督は元が艦娘でない不完全な状態でしたから偶然出来ただけです。深海棲艦として確立した今は、もう誰にも干渉できません」
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