64:名無しNIPPER[saga]
2016/07/10(日) 01:14:15.57 ID:ZjlcYbSYo
その場に残されたわたしたちふたりは、互いに顔を見合わせた。
後ろには鏡の迷路、正面には開いたままの扉と大きな鏡。
さっきまでそこにいた女の子の姿はもうない。
鏡の中に溶けるように消えてしまって、今は鏡にすら映っていない。
今みた光景を受け止められずに、言葉を失った。
「……なんだ、今の」
「……見たよね?」
ケイくんは返事もせず、訝しげな顔をして、目前の扉へと近付いていった。
「あぶないよ」
とわたしは思わず言った。
「……なにが?」
「……えっと、何がだろう?」
自分でも、よくわからなかった。なんとなく、口から出てしまったのだ。
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