過去ログ - 開かない扉の前で
1- 20
68:名無しNIPPER[saga]
2016/07/10(日) 01:17:24.87 ID:ZjlcYbSYo

 それにしても……さっきからなんだか、現実感がない。
 夢の中みたいだ。視界にうつるものをなんだか遠くに感じる。

 ケイくんは背後の鏡に近付き、手のひらで触れた。

「……鏡だな。どう考えても」

「うん」

 と、わたしが頷くと同時に、ケイくんが思い切りその鏡を蹴りつけた。
 大きな音がした瞬間に、壁がわずかに揺れた気がした。

 それでも、鏡は不思議と割れなかった。

「……冗談だろ。どうするんだよ、これ」

 わたしも、ケイくんが触れている鏡の方に近付いて、手のひらでその感触を確かめてみる。

 ひんやりとしたつめたさ。なんでもない鏡。ただ、映っている自分たちの姿が、ひどく白々しい。
 わけがわからなくて、頭痛すら覚える。




<<前のレス[*]次のレス[#]>>
992Res/853.12 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice