76:名無しNIPPER[saga]
2016/07/10(日) 01:23:27.35 ID:ZjlcYbSYo
「……こいつは悪夢的だな」
とケイくんは言った。たしかに、とわたしは思った。
77:名無しNIPPER[saga]
2016/07/10(日) 01:26:02.82 ID:ZjlcYbSYo
顔は赤。シルクハットをかぶっている。首元に黄色の細い風船が伸びているが、その下は服で隠れていてよく見えない。
手指は更に細く小さい風船でできていて、その奇妙な指で彼(?)はステッキを掴んでいる。
「どれ、その子はどうした」
78: ◆1t9LRTPWKRYF[saga]
2016/07/10(日) 01:26:44.64 ID:ZjlcYbSYo
つづく
79:名無しNIPPER[sage]
2016/07/10(日) 08:45:20.60 ID:uKyy6YTg0
おつです
80:名無しNIPPER[sage]
2016/07/10(日) 15:33:11.44 ID:vfixUbFZ0
おつ
81:名無しNIPPER[saga]
2016/07/12(火) 00:13:55.57 ID:r7ZkODrmo
わたしたちが唖然として立ち尽くしていると、風船紳士は不意に動きを止めた。
彼は燕尾服の内ポケットから銀色の懐中時計を取り出して時間を見た(と思う。目がないけど)。
「おや、失敬。もう時間です。私はこれにて。あんまりお酒は、飲まんがいいよ」
82:名無しNIPPER[saga]
2016/07/12(火) 00:15:37.31 ID:r7ZkODrmo
わたしは頭を振って、落ち着こうとする。
もう何を考えようと無駄だという気がした。
「……ケイくん、どうする?」
83:名無しNIPPER[saga]
2016/07/12(火) 00:17:19.28 ID:r7ZkODrmo
わたしたちは噴水の広場を抜けて、風船紳士の消えていった坂を登っていった。
その先からはぎいぎいぎいぎいと耳を覆うような音のつらなりが聞こえた。
さっきと同じ、ゼンマイ仕掛けの子犬だった。
84:名無しNIPPER[saga]
2016/07/12(火) 00:18:56.07 ID:r7ZkODrmo
結果から言ってしまえば、その判断は正解だったのだと思う。
何かしらの、"それらしき"ところには辿りつけたからだ。
でも、本当のところはどうなのだろう?
85:名無しNIPPER[saga]
2016/07/12(火) 00:20:38.50 ID:r7ZkODrmo
坂を昇った先は、また広場のようになっていた。けれど、さっきよりもずっと広く、何もかもが大きい。
今度は、中央近くに花壇があった。
花壇は四つのスペースに分かれている。扇型に切り分けられた円の隙間が、裂くような石路になっていた。
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