過去ログ - 開かない扉の前で
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856:名無しNIPPER[saga]
2017/11/05(日) 00:00:48.92 ID:5szBys0go

 無事に生まれた子供は、ラプンツェルと名付けられて、魔女に連れ去られていった。

 娘はやがて美しい少女になり、魔女は彼女を高い塔の中に閉じ込める。
 そこには扉もなければ梯子もない、ただ窓だけがある高い塔だ。

 魔女は、ラプンツェルの長い髪を梯子の代わりにして、塔の中へと出入りする。
 
 美しい娘は、世界から隔絶され、塔の中をすべてとして生きる。

 けれど、何年か後、その塔の傍を、ひとりの王子が通りかかり、ラプンツェルの美しい歌声を耳にする。
 王子は心惹かれ、塔を昇る入り口を探すけれど、どこにもそんなものは見つからない。

 それで彼は、毎日塔の近くへと出かけていくようになった。

 そしてある日、魔女がラプンツェルに髪を下ろしてもらうのを見たのだ。

 王子は、賭けのような気持ちで、魔女のいない隙をつき、ラプンツェルに声をかけ、髪を下ろしてもらおうとする。
 そして、彼女は髪を下ろした。

 ラプンツェルは、男というものを初めて見た。王子は、自分が彼女の歌声に惹かれたことを話し、彼女を安心させる。
 そうしてふたりは惹かれ合い、王子はラプンツェルを妻にしたいと言い始める。

 彼女はそれを受け入れるが、彼女は塔の下へと降りられない。
 そのため、彼女は王子に、会いにくるたびに絹紐をもってくるように頼む。それを撚って髪の代わりに塔を降りようとしたのだ。

 魔女が塔を訪れるのは、大抵"昼間"で、だから二人は日が暮れた"夜"に会うと約束した。




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