887:名無しNIPPER[saga]
2017/11/15(水) 23:53:12.01 ID:lNunJpruo
――ごめん。ちがう。そうじゃなくて、なにか、悩みがあるなら、いつでも……。
――……いつでも、聞くから、って、そう言おうと思ったの。
小夜は、そう言ってくれた。
でも、僕に何が言えたっていうんだ?
全部全部話したら、小夜だってきっと僕のことなんて見放していっただろう。
小夜が僕を気にかけてくれたのは、僕が何も話さずにいたからという、ただそれだけの理由に過ぎないように思える。
ただ彼女は、不可解を理由に気にしていただけで、すべてが明るみにさらされれば、すぐにうんざりしていっただろう。
僕はそう思う。それが事実だと思う。それが事実だとしか思えない。
「ねえ、遼一――遼一は、何が欲しいの?」
「……え?」
「何が欲しくて、ここまできたの?」
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