過去ログ - 開かない扉の前で
1- 20
887:名無しNIPPER[saga]
2017/11/15(水) 23:53:12.01 ID:lNunJpruo

 ――ごめん。ちがう。そうじゃなくて、なにか、悩みがあるなら、いつでも……。
 ――……いつでも、聞くから、って、そう言おうと思ったの。

 小夜は、そう言ってくれた。

 でも、僕に何が言えたっていうんだ?

 全部全部話したら、小夜だってきっと僕のことなんて見放していっただろう。
 小夜が僕を気にかけてくれたのは、僕が何も話さずにいたからという、ただそれだけの理由に過ぎないように思える。

 ただ彼女は、不可解を理由に気にしていただけで、すべてが明るみにさらされれば、すぐにうんざりしていっただろう。
 僕はそう思う。それが事実だと思う。それが事実だとしか思えない。

「ねえ、遼一――遼一は、何が欲しいの?」

「……え?」

「何が欲しくて、ここまできたの?」




<<前のレス[*]次のレス[#]>>
992Res/853.12 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice