904:名無しNIPPER[saga]
2017/11/21(火) 01:01:17.53 ID:ogkZSEtjo
建物の中には人の姿がなかった。
奇妙な空間に迷い込んでしまったような、そんな違和感を覚える。
人の姿がない。にもかかわらず、気配がある。気配だけがある。
誰かの話し声が聴こえた。
でも、それさえも、そんな気がしただけのことだ。
夢の中に迷い込んだような、不思議な感覚だった。
僕は、入ってすぐの場所にあった、展望台への直通エレベーターの扉の前に立つ。
エレベーターは、今は上に止まっているらしい。
ボタンを押してからしばらく待たされた。
いくらか間抜けな音を立ててから、扉は開いた。僕は他にやりようも思いつかずに、結局その扉をくぐるほかなかった。
992Res/853.12 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。