過去ログ - 開かない扉の前で
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932:名無しNIPPER[saga]
2017/11/26(日) 23:25:01.94 ID:L2HTNNmfo

 そして僕が立っていた場所は、西欧風の箱庭めいた街だった。
 すみれと一緒に、僕が最初に辿り着いた街。

 他人事みたいな街灯の灯りが、やけに刺々しく僕に降り掛かってくる。

 景色は夜、空の色は黒、月の数はふたつ。

 僕はまた放り込まれている。
 今度は風船のライオンもいない。
 
 仮面の男も子供もいない。

 そうだ。
 ここは広場だ。

 飴が配られていた広場だ。

 その中心に、僕は立っている。

 そして、『誰か』が僕を取り囲んでいることに、そのときようやく気付けた。




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