956:名無しNIPPER[saga]
2017/12/06(水) 01:29:31.72 ID:IzyndCNto
不意に、僕は光のない真っ暗な場所に立っている自分を発見した。
光源なんてひとつもないのに、自分の体だけが確かに見える。ほのかに光っているみたいに思えた。
僕の目の前を、二人の少女が通り過ぎていく。追いかけっこをしているみたいだった。
彼女たちの笑い声は僕の耳には届かない。片方はいつまでももう片方に手を伸ばして、もう片方はいつまでも片方から逃げ続けている。
ここまでおいで。
彼女たちの姿が暗闇に飲み込まれて見えなくなる。
僕の体に宿った光が、不意に足元から広がっていく。
やがて景色は、暗闇ではなくなった。
そこに広がっているのは、鏡の迷路だった。
鏡、鏡、鏡。奥行きも広さも、とても分からない。
足元には砕けた何かの破片がある。
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