958:名無しNIPPER[saga]
2017/12/06(水) 01:30:36.08 ID:IzyndCNto
ミラーハウスの鏡が砕けていく、そんなイメージが流れ込んでくる。
鏡の破片のひとつひとつに、僕が出会った人々の顔があった。
愛奈、穂海、すみれ、あさひ、ざくろ、沢村、碓氷遼一、名前も知らない誰か。
そのどれもが音を立てて床に落ちて砕けていく。僕はただその様子を眺めている。
鳥の声はまだ聴こえている。
僕の体は何かどろりとした液体の中へと沈んでいく。
さっきまで見えていた景色は既になくなり、僕を今まで運んでいた奇妙な力ももう失われている。
そんな気がする。
僕は深いところへ落ちていく。
光のないところ、暗い海の場所のようなところ。
僕の意識は曖昧になり、思考は脈絡を失い始めた。
まず言葉が、
次に声が、
最後に音がなくなった。
992Res/853.12 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。