961:名無しNIPPER[saga]
2017/12/06(水) 01:33:01.30 ID:IzyndCNto
◇
僕は、もといた世界に戻っていた。
すみれと旅に出る前にいた、あの当たり前の日常の世界に。
僕があちらに行っている内に、こちらでは二週間が経っていた。
家に帰り着いた僕を迎えたのは両親と愛奈で、愛奈は泣きながら僕に抱きついてきた。
僕に何も言わなかったし、僕に何も求めなかった。ただ何も言わずに帰ってきた僕に抱きついてなかなか離してくれなかったのだ。
彼女が胸の内側に溜め込んでいるわがままのことを僕は思う。
こんな顔をさせたのが自分自身なのだと思う。
その上で僕は謝らなかった。
それはエゴだという気がしたのだ。
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