過去ログ - 北上「離さない」
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421: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/01/20(金) 08:40:32.76 ID:qEv8GLN9O

戦いの、2日後。

北上は担がれ帰港した直後に意識を失い、そのまま軍の病院へ入院となった。
入渠にて怪我こそ完治できたものの、暫く静養が必要との診断が出た為だ。

ここはいつもの鎮守府より、遠くの街。
彼女はひとり、ベッドで呆然と、窓に広がる空を眺めていた。


“結局、生き残っちゃったなー…。
船の方の北上も、こんな気持ちだったのかな……。

寂しいな、なんてね。”


彼女の脳裏によぎるのは、意識を失う直前の事。

必死に自分へと駆け寄る、愛しい者の姿。
しかし彼が触れるより先に意識は遠退き、彼女は気付けばこの病室にいた。

目覚めたのは、今日の朝だ。
軍医から現状の説明を受けたきり、まだ彼女の病室を訪れる者などいない。

他の患者もいない、彼女でしかベッドが埋まっていない部屋。
そんな静寂が、妙に冷ややかに思えていた。

音楽が聴きたいな、と思うも、プレイヤーが手元にある訳もなく。
そうして痛みすら感じるような静寂に溜息を吐くと、コツコツと、やや速い足音が彼女の耳に触れた。




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