58: ◆FlW2v5zETA[saga]
2016/07/09(土) 04:51:29.55 ID:O7w9QjEl0
彼の目は、今もモニターへと注がれている。
それは周囲の動作に気付かぬほどまっすぐに向けられていて、北上は音を立てぬようそっと立ち上がると、背後へと近づいて行く。
そして。
「ケイちゃん…寒いでしょ。」
ふわりとケイの肩に掛けられたのは、北上の腕だった。
今は10月も半ば、確かに冷える頃だ。
だがエアコンだって回っているし、取り立てて寒さを感じる理由はない。
耳元や首筋に吐息が掛かり、それは皮膚の泡立つ感覚を次々に与えていく。
ケイはむしろ、北上の突然の行動にこそ寒気を覚え、振り払う事など出来ずにいた。
644Res/552.40 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。