過去ログ - 北上「離さない」
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622: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/03/28(火) 03:49:34.83 ID:T7wuw/an0

二人が乗る車は駅を離れ、とある住宅地へと向かって行く。
こうして会うのも半年ぶりか。
積もる話に花を咲かせつつ、夏の日差しに照らされる街を眺めていた。


「今日お子さん達は?」
「旦那も休みやから、任せてきたわ。
いやー、相変わらずデレデレでなー。出張行ってても毎日電話来るし、家おったらおったでもうずーっと離れんし。
ありゃうちの子らに彼氏出来たら、旦那殴らないかんやろなあ…写真見る?」
「かわいー!結構アカネさんに似てきましたねぇ。」
「ほんまそれや…もうちっと旦那の遺伝子継いでくれたら良かったんやけどな…。
旦那が逮捕されかけた話あったやろ?今から心配でたまらんわ…。」
「ああ、あの援交と間違えられた件……。」
「身分証見した時のポリ公のツラ、傑作やったで。うち、そん時三十路やったのに。メロンちゃんは最近どない?」
「式の準備がそろそろですねー…ふふ、でも最近、お腹がちょっと、太ったのとは別でゆるんできて……。」
「だいじょぶだいじょぶ!まだ26やろー?幾つになっても心はお姉さんや!
………ええか、肌がシャワー弾かんようなってからが地獄なんや……。」
「やめてください、確かに最近弾きが…。」


相変わらずな会話を繰り広げつつ、車は目的地へと辿り着いた。

ここはかつて、ある少女が住み。
そして、二人の片割れが、今尚仕事で関わっている街だ。

今日彼女達がここを訪れたのは、旧友の引越し祝いの為。
車を降りた二人の前には、真新しい建物だらけの街が広がっていた。


何故ならここは、かつて一度は滅んだ街なのだから。






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