68: ◆FlW2v5zETA[saga]
2016/07/12(火) 04:56:36.96 ID:jl9oy6I4O
「終わった、わね…」
「ああ、終わった……。」
「「よっしゃ出来たぞおおおお!!!」」
時刻は午前3時。
テーブルの上にはぴかぴかの完成品が置かれ、そして床にはオイルまみれの男女が二人転がっていた。
二人とも酷いクマを浮かべてこそいるが、実にやりきった顔をしている。
ここまで辿り着くのに、およそ10数時間。
時に激しく討論し、時に各々得意分野のコラボレーションを経て、ようやく全ての作業を終えた。
「長かった…いや、バリさんいなかったらこりゃ無理だったね。」
「何言ってるのよ、そもそもこんなの、私じゃ思い付かないわよ。」
起き上がる気力も果ててしまったが、互いの健闘を讃え合う二人。
隣を向いて笑い合うと、実に力強いシェイクハンドを交わしていた。
それはまさに、お互いこれから良い仕事が出来ると言う確信を持てた瞬間であった。
そしてどこからともなく妖精達が現れると、小さな拍手でそれを見守っている。
夕張が工廠メンバーの一員として、認められた瞬間であった。
「あー、無理…」
「私も…」
そしてどちらともなく、すうすうと寝息を立てて眠ってしまった。
妖精達は二人に毛布を掛け、寝入ったのを見守ると、彼らも各々寝床へと戻って行った。
二人の手は、先程のシェイクハンドのままで。
夢も見ないほどの深い眠りに、彼らはしばしの休息を味わうのであった。
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