7: ◆FlW2v5zETA[saga]
2016/07/04(月) 07:16:10.70 ID:QBwtVvxaO
「やってるかーい。精が出るねえ。」
ノックもなく戸が開いたかと思えば、そこにいたのは北上さんだった。一体何の用だろう?
「どうしたんです?」
「いやー、食堂にいなかったからさ。そのままやっちゃってるのかなーって。
ほい、パンとエナドリ。どうせ食べてないっしょ?」
「お見通しでしたか…つい夢中になっちゃうんですよね。ありがとうございます。」
この時ばかりは、彼女が天使に見えたね。
いや、まあ頼んだのも彼女だけども。
「どんな感じ?」
「結構キテますね。フルの整備、最後にいつしました?」
「んー、確か最初の給料元手に買ったから…もう2年ぐらいはしてないね。
たまにオイルとブレーキ周り見てもらってたぐらい。」
「このクラスは車検無いからって、そりゃダメですよ。
今回は俺でもやれる範囲ですけど、これ以上ならバイク屋送りです。
メット被って道交法守ってりゃ安全って訳じゃないですよ?北上さん一人の体じゃないんですし。」
「ん?それは俺の北上サマでもあるって事かなぁ?」
「ここのメンバーとしての体でもあるって意味ですよ。」
「たはー、手厳しいなぁ。」
こんな軽口を叩き合えるぐらいには、随分と気の置けない関係になっていた。
彼女がこうやって俺をからかうのはいつもの事。さて、貰ったパンも食べたし、もうひと頑張りするか。
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