94: ◆FlW2v5zETA[saga]
2016/07/18(月) 05:11:00.81 ID:7pBs7sNMO
『どうしました?』
「んー、ちょっと人の声聞きたくて。さすがに暇なんだよねー。
ねえねえ、ところで夕張ちゃんの話マジなの?」
『マジですよ。上がり込まれて卒アルバッチリ確認済み、免許も見せられましたよ。
同級生じゃなきゃ絶対知らない事、全部知ってましたし。』
「部屋入ったんだ?」
『もう帰らせましたけどね。
他の奴らに見られたらだるいんで、勘弁しろよって話なんですけどねー。』
「あー、あの資材科の子とか?」
『ああ、確かにあいつチャラいんで危ないかも…。』
「こないだ長門さんにシメられてたもんねー。ふふ、あの時さー…」
他愛も無い会話に、思わず北上は顔を綻ばせていた。
今は回線越しの、二人だけの世界。
他の誰にも邪魔しようの無い世界だ。
そこにあるのは笑い合う声だけ、それ以外は何も無い。
例えば今ここに、夕張が横槍を入れてくる事も。
会話に夢中になりながら、少しだけその事を考えた時。
思わず、再び自身の口角が吊り上がった事を。
北上自身も、気付かずにいたのであった。
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