過去ログ - 佐久間まゆ「私の灰かぶり」
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1:名無しNIPPER[saga]
2016/07/07(木) 20:31:56.35 ID:Mi73gln00
デレマスSSです

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2:名無しNIPPER[saga]
2016/07/07(木) 20:33:12.19 ID:Mi73gln00
 タバコから昇る煙は丁度俺の頭の上の辺りで薄くなっていった。火のついたタバコを肺に落とす度に自分の思考が鈍くなっていくのが分かる。ぼんやりとしている方が今はいい。鈍感になれば矛盾した痛みもなくなっていくだろうから。今出来ることは灰皿にタバコの灰で山を作ることぐらいだろうから。結局脆い灰は崩れてしまうけれど。
 後、どれくらい待つのか分からないけれど、多分もうすぐ終わると思う。ただもうすぐ来ると思うのは何度目なのかもう数えなくなった。ただずっと待つということはないことが少しだけ慰めになった。彼女のことは待たせる立場であったのに待つ側になるとどうももどかしい。
 こんなに待っているのに、なぜか会いたくない気がしている。結局、待っている時の今が幸せかもしれないというおかしなことを思い浮かべてるもの紫煙のせいなのかもしれない。
 控え室とは名ばかりの小さな部屋だった。椅子が二脚と机が置いてあり、机の上にはいくつかの資料と安物の灰皿にタバコの吸い殻が山と積まれていた。打ちっ放しのコンクリートはわびさびには少し味が足りず、殺風景でしかなかった。かと言っても空調は効いていて掃除はしてあるようで汚い訳ではない。この部屋にいるのが不快という訳ではない。この部屋にいることが不快であるだけだった。


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