過去ログ - 佐久間まゆ「私の灰かぶり」
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11:名無しNIPPER[saga]
2016/07/07(木) 20:37:22.17 ID:Mi73gln00
 食後にまゆは紅茶を俺はコーヒーを頼んだ。まゆとのゆっくりとした時間は心地よく、まゆに対する不安がどこかに行ってしまったような気がした。それを呼び戻したのはまゆだった。
「プロデューサーさんの不安ってなんだか分かる気がします」
「そうか?」
俺はマグカップを置いた。
「プロデューサーさんは演技するまゆが本当のまゆに見えたんでしょ?」
「まあな」
「そして本当のまゆに見えたからこそ……まゆが……あなたへの恋が……演技なんじゃないかって……思ったんですよねぇ?」
言い当てられて冷や汗をかくという描写が正しいかもしれないが、俺は静かにさっき置いたマグカップを握った。俺は心臓の鼓動が早くなることもなかった。ただ、胸にぽっかり穴が空いたような気がした。
「そんなことありません。まゆはあなたしか愛していません。それがまゆのアイですから」
「じゃあなんで……」
彼女が笑ったような気がした。おかしな勘違いをした人を優しく正すように。
「アイドルに徹しろと言ったのはプロデューサーさんの方です」
まゆは俺の方を向いてずっと遠くを見ていた。
「だからまゆはプロデューサーさんへのアイを利用しました。プロデューサーさんだってまゆのアイを利用していますよね」
まゆは一度息を吸った。
「そんなもので永遠は壊れませんから」


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