12:名無しNIPPER[saga]
2016/07/07(木) 20:37:48.06 ID:Mi73gln00
水の中で息を吸っていて、空気が欲しいのに全く吸えない。
「アイより永遠の方が大事なのか?」
肺の中の空気を絞り出して最後の言葉を言おうといた。
「いいえ。まゆはプロデューサーさんと過ごす一時の方が大切だと思っています。それが密室ならという条件は付きますけど」
「アイドルに恋愛は御法度って訳か」
「ええ。そんなに苦しいならプロデューサーさんはまゆをアイドルにしなければ良かったんですよ。アイドルでなければこんな永遠に頼ることもなかったのに……」
そんな簡単に出来ることではなかった。まゆは俺にとってのシンデレラだったから。まゆならもっと輝ける。俺は輝く姿を見たかったから。
「でも嬉しいですよね。まゆはあなたの望むように輝いていますよぉ?」
「ああそうだ。まゆは輝いている。流石、シンデレラだ」
「プロデューサーさんがプロデューサーじゃなかったら、まゆと出会うこともありませんでしたしね。あなたに一目惚れしなければ……うふふ……おかしいですねぇ……」
「なにがおかしいんだ?」
「シンデレラの物語で、一目惚れをしたのは、シンデレラでも、魔法使いでもなくて王子様ですよねぇ?」
「ああ、そうだ。王子様がガラスの靴を持って……」
そこまで言って俺はまゆとの出会いを思い出した。
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