24: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2016/07/09(土) 00:02:58.01 ID:LOjAWmrI0
「ま、着替えてきなさいな。移動しながら店は決めよう」
「言われなくたってそうするっす」
25: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2016/07/09(土) 00:05:45.91 ID:LOjAWmrI0
床を蹴る甲高い音が鳴る。
途切れることなくアンドゥトロワのリズムに合わせて、なんて。
26: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2016/07/09(土) 00:06:58.43 ID:LOjAWmrI0
曲はかかっていない。
トレーナーさんの手拍子と声だけ。
27: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2016/07/09(土) 00:07:33.20 ID:LOjAWmrI0
この不思議な陶酔感に身を任せていると、トレーナーさんがなにか言ってるのに気付いた。
あぁ、次でこの曲は終わりだ。
28: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2016/07/09(土) 00:09:02.38 ID:LOjAWmrI0
「すごい、数日でここまで!」
曲がフェードアウトしてその余韻もないまま、トレーナーさんの興奮した声と拍手が聞こえてきた。
それと一緒にアタシは床に転がり込んでしまって、視界には煌々とした蛍光灯と味気ない天井が映るだけだった。
29: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2016/07/09(土) 00:16:39.79 ID:LOjAWmrI0
「の、飲み物……」
バタバタしているトレーナーさんの音をBGMにして、呼吸を整える。
頭がぐわんぐわんして、全身が床にひっついてしまったみたい。
30: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2016/07/09(土) 00:17:46.81 ID:LOjAWmrI0
「こられていたんですね」
「えぇ、どんな様子かとおもいまして」
31: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2016/07/09(土) 00:18:31.17 ID:LOjAWmrI0
「これだけやってくれるなら、私もメニューを組むのに自然と熱が入っちゃいますよ」
「褒められてるぞ」
32: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2016/07/09(土) 00:19:14.75 ID:LOjAWmrI0
「でも、自主練はいいですけど、ほどほどに。ね?」
「それは大丈夫っす。プロデューサーがいてくれるし」
33: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2016/07/09(土) 00:22:20.89 ID:LOjAWmrI0
いつも通りに自主練が始まる。
トレーナーさんには、今日ぐらい休んでもいいんじゃない? って言われたけど、体を動かすのは好きだし、なにかできるようになったときのこの感覚を忘れたくないから。
34: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2016/07/09(土) 00:25:01.52 ID:LOjAWmrI0
対面の鏡を見る。
扉の隣で壁にもたれかかったプロデューサーがいて、大きなあくびをしたあとに両手で顔をパチンと叩いた。
それを合図に曲が頭の中で鳴り始めて、アタシはそこに体を、心を委ねる。
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