32: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2016/07/09(土) 00:19:14.75 ID:LOjAWmrI0
「でも、自主練はいいですけど、ほどほどに。ね?」
「それは大丈夫っす。プロデューサーがいてくれるし」
33: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2016/07/09(土) 00:22:20.89 ID:LOjAWmrI0
いつも通りに自主練が始まる。
トレーナーさんには、今日ぐらい休んでもいいんじゃない? って言われたけど、体を動かすのは好きだし、なにかできるようになったときのこの感覚を忘れたくないから。
34: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2016/07/09(土) 00:25:01.52 ID:LOjAWmrI0
対面の鏡を見る。
扉の隣で壁にもたれかかったプロデューサーがいて、大きなあくびをしたあとに両手で顔をパチンと叩いた。
それを合図に曲が頭の中で鳴り始めて、アタシはそこに体を、心を委ねる。
35: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2016/07/09(土) 00:26:13.58 ID:LOjAWmrI0
でもこれはあくまでハードルのひとつでしかなくて、まだスタートして少ししか走ってない。
ひとつ跳ぶたびにハードルは高くなっていくし、ダンスだけじゃなくて歌とかポージングだってそう。
36: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2016/07/09(土) 00:26:49.50 ID:LOjAWmrI0
だったらすごいワクワクしてくる。
37: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2016/07/09(土) 00:27:26.85 ID:LOjAWmrI0
アタシが考えてるよりもずっと大変だとおもう。
けど、新しい色を描けるんだ。
38: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2016/07/09(土) 00:28:01.09 ID:LOjAWmrI0
「ねぇ、プロデューサー」
靴底と床がこすれる音を響かせて、その場で半周くるっと回る。
その先にはアタシをこの世界に連れてきた人がいて、アタシを見ている……はずだったんだけど。
39: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2016/07/09(土) 00:28:40.97 ID:LOjAWmrI0
耳を澄ませてみると、すぅすぅという息遣いが聞こえてきた。
顔を覗き込むと、両方の瞼はしっかりと閉じていて、肩は小さくゆっくりと上下していた。
40: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2016/07/09(土) 00:29:13.96 ID:LOjAWmrI0
腕を組んだ状態のまま、体を壁に預けて寝てる。
それを見て器用だなって感想がまず浮かんだ。
その次になにかあるかと言われたらなくて、例えば、怒りだとか呆れみたいな感情は不思議と湧いてこなかった。
41: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2016/07/09(土) 00:30:06.64 ID:LOjAWmrI0
じっと寝顔を見ていると、意外とプロデューサーのまつげが長いことに気がついた。
どうでもいいことだけど、普通だとなかなか気がつかないことで、ちょっとだけ嬉しくなったりして。
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