20:名無しNIPPER[saga]
2016/07/12(火) 02:22:18.31 ID:NS+dGnRG0
奈緒「もー、これでもちゃんと考えて作ってるんだからな?」
飛鳥「でも……奈緒さんの料理は美味しいからベストな状態で食べたいんだ……」
蘭子「奈緒ちゃん……」
奈緒「…………あーもー! わかったっ! わかったから悲しそうな顔やめろよ!」
蘭子「ありがとう!」
飛鳥「これからも積極的に甘やかしてくれ」
ちくしょー可愛いと得だよなー、と言いながら奈緒ちゃんはフライパンでベーコンを焼き始めた。
ジュゥゥ……と、お肉が焼ける音とともに燻製特有の香ばしい匂いが漂ってくる。 その間にもチャッチャッと
卵のかき混ぜられる音が聞こえてきて、わたしは思わず目を閉じて耳をすませたくなった。
飛鳥「ノスタルジーに浸ってしまうな……」
ふとした瞬間にね、と飛鳥ちゃんが言う。
蘭子「郷愁は我らが此方に存在する証明であり、また彼方に共鳴する心の形よ」
そうであろう? と答え、どちらともなしに自然と笑いがこぼれた。
溶き卵がフライパンに流し込まれる音がする。 楽しそうな鼻歌、パンの焼ける香り、窓の外から吹く温かな風。
すこし感傷的だった気持ちが解けていく感覚が心地良い。
奈緒「なんだか嬉しそうだな。 そんなに楽しみだったか?」
飛鳥「まあ、そんなところかな」
蘭子「ええ、根源たるものに違いは無いわ」
奈緒「なんだその含みのある言い方。 まーいいや、出来たから取りにおいでー」
蘭子「うむ!」 飛鳥「ああ」
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