過去ログ - 【モバマス短編集】「貴方がくれたもの」
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9: ◆oeRx5YHce.
2016/07/11(月) 03:13:31.08 ID:bJL0D4IE0
「……もういっぺん言ってみろ」

猿どもが沈黙する。怯んでるわけじゃない。

ニヤニヤと意地悪く笑ってるだけだ。

それがますますアタシを苛立たせる。

「もういっぺん言ってみろっつてんだろうがァッ!!」

鈍い音が鳴って机が倒れる。

その音とアタシの声で猿どもの顔が青ざめる。

「な、何さ机とか蹴っちゃって。マジにしてんの? ウザいんだけど」

猿がウキーと鳴く。膝を震わせてるんだろうが、アタシには見えねぇ。

「アタシの話は構わねぇ。何を言ってくれてもいい。ただな」

指の骨を鳴らし、猿どもを躾に行く。

「ダチを悪く言うのだけは、許さねぇ」

一歩、一歩と近づくたびに、猿がのけぞる。

「そのブス面、ひん曲げてやろうか?」

振りかぶったその時。

「向井! やめなさい!」

生徒指導の乱入で、その場は消化不良に収められた。

野次馬共の視線に晒されて生徒指導室行きだ。ざまあねぇ。

……別にいいか。脅すだけのつもりだったし。


大きくため息をついた。

情けねぇ。アタシとしたことが取り乱すなんて。

下を見て歩いていると、ふと握りしめていた右の拳が目に入った。


……いつぶりだろうな、こんなの。

拳の震えは、いつまで経っても収まらなかった。



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