過去ログ - 飛鳥「理解(わか)ったよ……真実は都のものだ」【モバマスSS】
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6:1 ◆hJf93tAuuw[saga sage]
2016/07/12(火) 21:18:02.59 ID:gQuthCsR0
「水を差すようだけど、僕だって非日常を覗ける機会だというなら喜んで参加したい。
 だが“開かずの間”の話を聞いて、都さんはただのオカルトだと思わないのかい?
 その様子は、かなり乗り気のように見えるが」

僕のこの疑問は、普段の僕のスタイルからすれば矛盾した発想だった。
しかし、実務的なことを何よりも良しとする探偵が、
この“開かずの間”の眉唾な話に対して、何の疑問も無く行動に打って出ようとするその姿に違和感が生じたのだ。

しかし、そんな僕の違和感を、都はしっかり汲んだようだった。
僕に微笑みかけ、次にしたり顔で、都は答えた。
「では、飛鳥ちゃん。いえ飛鳥くん。
 まず開かずの間の物音が本当に実在すると仮定を立ててみよう。
 あ、その前に……観察するということと、ただ見ているだけは違うのは分かりますかね?」
「ああ、言いたい事は理解る。
 物事の本質は常に見えていても、観察しなければ見抜けない」

「その通り!」都は大声で肯定しつつ、人差し指を立てた。
「それでは……部屋を調べたという総務部の人は『一体何を見て』、“開かずの間”を『もぬけの殻』だと判断したのかな?
 ただ部屋を鍵で開けて、電気を付けて、見回して、結果として何もなかったのだろうけど、
 探偵である私は、自分自身でその部屋を見るまでこの『謎の物音』がただの幻聴か本物か判断できないんだよ。
 物音が“開かずの間”で鳴っているのだと仮定したら、まず部屋には必ず何かがある。
 それが人の気配なのか、それとも機械や自然現象の痕跡か、それは分からないけどね。
 そして、その部屋の鍵は偶然にも失くしてしまっているとなれば……面白そうだ」


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