10:名無しNIPPER[sage]
2016/07/14(木) 21:44:56.27 ID:9Y3+pWvQo
晶葉「……一つの可能性として。君がここで時間移動を行った時、この世界は消滅するかもしれない。
君だけじゃない。この世界が、彼女たちが積み上げてきた全てを抹消することになるんだ。
それらを天秤にかけて、それでもなお、佐城雪美が大切だと言うのか。
彼女の命はこの世界が積み上げてきた二十年という歴史よりも重いというのか」
P「重い軽いの問題ではない。間違っているから正すだけだ。
そのなくなったものが雪美であっただけ。みくや杏、桃華、そしてお前であっても俺は同じことをする」
晶葉「……それはどうだかな。そもそも本来の正しい歴史とは今あるこの歴史のことだろう。
これを使って、死んだはずの人間を生き返らせたらそれこそが間違った歴史じゃないのか?」
P「そんなはずないだろう。雪美が生きているというのが本来の歴史なのだ」
晶葉「……そうか、わかっていたが君はもうとうの昔に気が違っていたようだな。
タイムマシンを作ってくれと頼みこんできたときからずっと」
P「お前はその狂人の望みを叶えたわけだがな」
晶葉「全くだ。本当に私も……。いや、やめようか。使用方法はさっき君の言っていた通り。
座ってヘルメットを被るだけだ。時間の指定は私がセットするから問題ないぞ」
P「わかった。……そうだ、これを渡し忘れていたな」
晶葉「この封筒は?」
P「お前の言葉を借りるならば、一つの可能性として俺が時間移動をした後もこの世界は変わらず
存在し続けるかもしれない。そのときのために会社や親しい者に宛てた手紙だ」
晶葉「時間移動を行った君が本来の君でなくなる可能性を配慮した、というわけか」
P「ああ。お前にも宛てた手紙があるからそれを読めば問題はないが、もしも俺が精神を無くした廃人に
でもなったら処分してくれ。そんな状態で生きていると会社の運営だの困る事態も多いしな」
晶葉「出来るわけないだろう。君を[ピーーー]なんて」
P「頼んだぞ」
晶葉「自分勝手だな。君は」
P「そんなの百も承知だろう。よし、被ったぞ」
晶葉「……跳ぶのは二十年前のあの日、時間は事故時刻の二十分前だ。誤差はない、と思いたいな」
P「ああ」
晶葉「よし、いくぞ……起動!」
P「晶葉」
晶葉「なんだ、もう止まらないぞ」
P「ありがとう」
晶葉「……私はずっとPのことが――」
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