37:名無しNIPPER[sage]
2016/07/14(木) 21:57:45.55 ID:9Y3+pWvQo
P「……」
P(時間移動で見なくても覚えている。あの日のことを)
P(外回りの休憩に寄った公園。初めて来た場所だったから少し見て回ったんだ)
P(見つけたベンチの上には屋根の代わりに藤棚があり、紫色の花を咲かせていた)
P(そこに彼女が居た)
P(一人、藤を仰ぎ見ている彼女が)
P(そして手を伸ばして、藤の花を取ろうとしていた。でも背伸びしても届かず)
P(それを見かけた俺が代わりに取って上げたのだ。それが彼女との出会いだった)
P(今、目の前にある道を歩いていった先に彼女がいる)
P(ここで戻れば、彼女との接点はなくなり、アイドルになることもないだろう)
P(彼女はいつだったか、アイドルになって良かったと言っていた)
P(彼女の両親は俺にアイドルにしてくれてありがとうと感謝することもあった)
P(彼女がアイドルになれたことを幸福に思っているのならば、俺はその幸福を奪うことになる)
P(だけどもしも……アイドルになるということが彼女の死の原因だとしたら)
P(俺は……)
P(……彼女の未来を信じよう。アイドルではない他の道にも幸福があることを)
P(例え彼女と話すことも、頭を撫でてやることももう出来ないとしても)
P(それでも彼女がこの世界に生きているなら俺は――)
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