過去ログ - モバP「夏への扉」
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8:名無しNIPPER[sage]
2016/07/14(木) 21:43:55.92 ID:9Y3+pWvQo
P「……」

P「……お、ペロか。お前も来てたんだな」

ペロ「にゃあ」

P「そうだよなぁ……。ご主人の葬儀だもんな……」

P「……見ろよ。あの煙。お前のご主人様の煙だよ」

ペロ「……」

P「俺さ、お前のご主人の両親に会った時。殺される覚悟だったんだよ。
 だって預かっていた大事な一人娘をさ、こんな……事故で亡くしちゃったんだもんな」

ペロ「……」

P「そしたらさ、感謝されたよ――」

『私達は娘に不自由をさせないために仕事に打ち込んで来ました。
 それが大きな過ちだったと気づいたのはずいぶんと後になってからでした』

『親は子の傍にいるべきだったのです。娘には寂しい思いをさせてしまいました』

『もしもあなたたちに出会えなければ娘は寂しさに沈んだままだったでしょう』

『東京から帰って来て、あなたたちとの事を話す娘は本当に楽しそうでした』

『だから、ありがとうございます。娘と、雪美と一緒に過してくれて。本当にありがとう』

P「――そういってさ。深く頭を下げて」

P「俺も頭を下げたよ。言葉にならなくて、何も言えなかったけど」

P「それでここで泣いてたってわけ。お前も泣くか?」

ペロ「にゃ」

P「……加害者は刑務所に入ったし、これで全部終わりなのかな」

P「なんであの時、呼び止めてしまったのか。旅行の話を後にすればこんなことならなかったのに」

P「あるいはもっと引き伸ばすか。いや、そもそもレッスンが入ってなければ。あの日がオフだったら」

P「悔やんでも悔やみ切れないよ。時間さえ戻れば……」

P「……時間さえ、戻れば。そうだよ、ペロ。雪美が死ぬなんておかしなことが起きたんだ」

P「だったら時間を戻すなんておかしなこと起きてもおかしくないよな? ペロ」

ペロ「……」

P「そうだよ、戻せばいいんだ」

P「あの時まで」


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