19: ◆IRWVB8Juyg[saga]
2016/07/15(金) 00:08:44.14 ID:QZ9ok2Pfo
「うーむ、今回はやられましたな……」
「フッフッフ、そう何度も何度もやられてはパトロールロボたちの立つ瀬がないからな!」
同僚にてかのパトロールロボ達の開発をした池袋晶葉その人が、胸を張って私の前に立った。
あちこちがペイント弾でベトベトで、大変気持ちが悪い。
何度も戦えばおのずと癖もわかる、というのはお互いさまということか。
「お互いにメタを張り合ってるんじゃ、もともとの性能テストの意味もなくなるんじゃない?」
造り物の空――疑似プラネタリウムから、泉殿の声が聞こえてくる。
なるほど、確かに一理ある。私も、晶葉殿も、お互いがお互いの癖を把握してきてしまっているのは確かだ。
しかし戦術をたてるに当たって相手の考えを利用するのは基本中の基本。
それに、このテスト開始当初ならばともかく今のロボ相手に真正面からでは勝ち目はないといってもいい。
真正面から立ち向かえない、という意味ではもはやテストをする意味もないのかもしれない。
つまりは、よほどのことがない限り対抗できない、ということだからだ。
「うーむ、じゃあテストはこれぐらいにしておこうか……私も自信をもって送り出せる出来になったしな」
「そうでありますか……」
「そうだとも。だから、次からは私も参戦するぞ!」
「へ?」
想定外の返答に間の抜けた返答をしてしまう。
晶葉殿は、へへんと笑うとメガホンのようなものを取り出した。
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