15: ◆NdSwyytUJslS[saga]
2016/07/15(金) 21:27:56.98 ID:2Lq8bAWao
それから三時間ほど経った頃、僕は早朝に目論んだ通りキャビンの日陰にマットを敷いて寝そべっていた。
充電が満足なレベルに達するには今しばらくかかるだろう。
まだ涼しいこの時間、こうして待つのはなんら苦ではない。
時おり港を出てゆく船の音に目を覚まし、その度にチャージャーのLEDが何色になっているかだけを確認してまた瞼を閉じる。
潮の香りと心地よい波音に包まれ、いくらでも寝ていられそうだ。
また船が通りかかった。薄く目を開け、相変わらず黄色のままのランプを確かめる。
たとえこのまま釣りには出られなかったとしても、これはこれで良い休日だ──そんな事をぼんやりと考えていると、今度のエンジン音はやけに近づいてくる事に気付いた。
その主は明け方に出て行った隣の船だった。
少し戻りが早すぎる気がするが、なにかトラブルでもあったのだろうか。
僕はむくりと上半身を起こした。
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