22: ◆NdSwyytUJslS[saga]
2016/07/15(金) 22:26:21.53 ID:2Lq8bAWao
そしてそれらの人には、ある共通した変化が現れていた。
『あの、チーフ……ここの字が違います』
『あらごめんなさい。嫌だわ、歳かしらねぇ』
字が下手に、不正確になっている。
そして幼稚園児のように箸の使い方が不器用になっている。
それはまるで『慣れない左手』でその動作を行っているかのようだった。
もう随分前から私の中には、ある仮説が立っていた。
もしかして、変わってしまった人たちは──
「──そんなわけない、か」
わざと声に出して仮説を否定する。
あくまで恐怖を紛らわせただけと解っていても、そうしなければならなかった。
何故ならこれから就寝する私は、その洗面所に向かうつもりだったから。
だって冷静に考えれば有り得ないようなオカルト仮説なのに、その馬鹿げた恐怖に縛られて歯も磨かず髪も梳かずに寝るなんて嫌だった。
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