過去ログ - 夏向けショートショート3本立
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25: ◆NdSwyytUJslS[saga]
2016/07/15(金) 22:31:10.87 ID:2Lq8bAWao

なんの根拠があっての発言かは解らなかった。

ましてや彼女は最初の悪戯の日、それを馬鹿馬鹿しいと言い放った人だ。


「気にしないで。おやすみなさい『天田』さん」

「……おやすみ」


疑念は解けなかったけれど、私は気にするのをやめた。

真意の掴めない言葉に少し気分を害した私からは、幸いにも恐怖心が失せていた。


たぶん今の私は不貞腐れたような顔をしているだろう。

口を尖らせて、眉間に少し皺を寄せていると思う。

わざわざまた弱気な顔に戻る必要はない。

私は敢えて表情を変えもせず、そのまま例の鏡に向き合った。



そこに映る私は、笑っていた。



その時、私は理解した。

鏡映しで正反対、鏡映しで対称形。

さっき高山さんが言ったあと一度だけの悪戯、変わってしまう最後の一人は──



第三話/おわり


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