8: ◆NdSwyytUJslS[saga]
2016/07/15(金) 20:47:14.13 ID:Q/YIMqnfO
エアコン用のコンセントは高いところにあるから踏み台を持っていかないといけない。
通話は繋いでいたいけど、明かりも必要になる。スマートホンを耳から離して通話画面の右上にあるスピーカーのマークを押した。
「ハンズフリーにしたよ」
《そっちの棟の他の部屋は大丈夫なのかな》
「隣のTVの音はしてたと思う。それにウチのブレーカーが落ちてるのは間違いないし……」
両手に物を持ち、ささやかな灯りを頼りにまたリビングを戻る。私は踏み台を床に置いて上がり、エアコンのプラグを引っこ抜いた。
スマートホンのスピーカーから、Nちゃんが部屋のカーテンを開ける音が聞こえた。
《うん、他の部屋は安定して電気が点いてるみたい》
すぐに台所に戻り、また踏み台からブレーカーに手を伸ばした。レバーを持ち上げ、今度は聞く人がいるから「お願い」と声に出して言った。
リビングが明るくなり、冷蔵庫が小さくモーター音を発し始める。そして数秒後、またバチンと音がしてそれらは絶えた。
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