過去ログ - みも「なんかμ'sのみんなが忍者になってた件……」
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◆hjwFaAU9TE
[saga]
2016/07/16(土) 20:24:24.06 ID:FGFremolO
夜空に浮かぶは、満月。
その光に照らされた地には、淡いながら“影”が映っていた。
……鹿の術。
そう、影の操作。
最初に牌流が投げた飛び道具、その中から刀を拾い上げ。
己を縛る縄を斬ったわけである。
視界を遮る煙幕に紛れ、逃げる牌流と鹿──。
依咒「……」
その煙の中に、光るものが。
依咒の瞳が、一瞬僅かにだけ光った。
……嘗ての涼狐と同じように、光るそれは。
トイズ──。
依咒のトイズ、それは。
五感強化。
視覚、聴覚、味覚、触覚、嗅覚。
その全てが研ぎ澄まされるというわけで。
煙に包まれていようと、離れていく影を捉えるのはとても容易い。
更に言えば、視覚に頼らずとも、聴覚だけでもそれは可能となる。
いくら忍者が足音を消す鍛練を重ねているからといって、依咒のトイズからは逃れることは出来ない。
依咒「さーて、どっちから、……っ!?」
……と。
突如、依咒の表情が変わる。
研ぎ澄まされた聴覚に届いてくるのは、忍者の足音だけではなく。
依咒「すー、ちゃん……?」
依咒の耳に、微かに聴こえてきたのは。
……涼狐の苦鳴。
まさか、あの涼狐が、敗けた?
そんなこと、あるわけがない。
だが、何かあったのは間違いない。
涼狐のその声を聴いた瞬間から、依咒の頭の中では牌流や鹿のことなど、興味の対象から消え去っており。
結果、二人は依咒から逃れられ。
依咒は城へ、涼狐の元へと戻っていった。
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