過去ログ - 盗賊「その愛の花は…森の奥にひっそりとあった」
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263: ◆cJ/Se2MNFnrs[saga]
2016/09/10(土) 21:37:01.96 ID:Z0M+5XUMO

盗賊「独りでいることから逃れたくて、人の世界に顔を出した」

盗賊「不器用なやつで…誰かに傷つけられちゃ、誰かを傷つけて…」

盗賊「でも、奴は…月光の魔女は、ある時昼間の太陽みたいな男に出逢い、恋に落ちた――」

マスター「魔女が、恋に?」

遊び人「へえ。ま、相手の男の方が相当な物好きじゃなきゃ、どうにもなんないわね」

盗賊「…実際、物好きな男だったさ」

盗賊「傷つくことも、傷つけることも拒絶していた魔女が、どうにか魔法で追い返そうとしてもめげずに」

盗賊「魔女に、花を贈ったんだ」

遊び人「あーら、中々ガッツのある男じゃない」

マスター「それで?魔女は折れたのか」

盗賊「いや…魔女は逃げ出した」

盗賊「降って沸いたような愛情が…魔女には怖かったのさ」

踊り子「えー?男の人じゃなくて、魔女が逃げちゃったのー?」

盗賊「ああ」

盗賊「二人が再び出会うまで…長い、長い時間がかかった」

盗賊「それでも二人は、お互いのことを忘れはしなかったんだ」

踊り子「二人はぁ、結ばれてハッピーエンド?」

盗賊「…どうだろうな」

盗賊「二人が出会えたのは、男が事切れる間近の話さ」

盗賊「交わした言葉は数えるほどだったが――」

盗賊「不器用な二人なりに…伝えられたことは、あったのかもしれない、な」




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