13: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2016/07/18(月) 22:46:05.58 ID:+OtJikMc0
いや、あの、知ってる、知ってるっす。
「吉岡沙紀ちゃん」
14: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2016/07/18(月) 22:49:39.38 ID:+OtJikMc0
アイドルってものに詳しくないアタシでも、この人の名前と顔は完璧に一致する。
モデル業から歌手活動、最近ではバラエティでも見ることが多くなってきたトップアイドル。
前からプロデューサーには、運が良ければ会える、なんてレアモンスターみたいに言われてたけど、現実なんてこんなにあっけないものなのか。
15: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2016/07/18(月) 22:51:47.19 ID:+OtJikMc0
「それで」
顔がぐいっと近づけられてにおいが強くなった。
触れたくなるくらい綺麗で白い肌に、吸い込まれそうな瞳はアタシをそこに閉じ込める。
16: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2016/07/18(月) 22:53:45.42 ID:+OtJikMc0
「大丈夫?」
どこに置くことが正解なのかわからない目線、びっしょりかいた手汗、言葉だけ健忘状態ってなんて都合のいい。
17: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2016/07/18(月) 22:55:07.81 ID:+OtJikMc0
「ご、ごめんなさいっ。変な声出しちゃって」
「ううん、私が勝手にやろうとしたことだもの。こちらこそごめんなさい」
18: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2016/07/18(月) 22:56:16.61 ID:+OtJikMc0
「無理に言わなくても大丈夫」
「え?」
19: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2016/07/18(月) 22:58:00.77 ID:+OtJikMc0
「あ、あの……」
「うん?」
20: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2016/07/18(月) 23:00:30.07 ID:+OtJikMc0
「ということっす……」
話が終わって、ひとつ大きく息を吐く。
緊張からかそれとも話し続けてたからなのか、口の中はカラッカラになっていて、机の上に置いてあったペットボトルのお茶を流し込んだ。
21: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2016/07/18(月) 23:02:17.35 ID:+OtJikMc0
「ふんふん。なるほどねぇ」
楓さんは八分咲きの笑顔のまま、こっちを見てゆったりとした間隔で何度かうなずいた。
その意味がよくわからなくて、頭の上にハテナマークを浮かべてると「そうねぇ」って話を切り出してきた。
22: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2016/07/18(月) 23:03:35.16 ID:+OtJikMc0
楓さん曰く、どうもアタシは恋してるらしい。
しかも相手はプロデューサーだって。
23: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2016/07/18(月) 23:04:12.51 ID:+OtJikMc0
プロデューサーとは会ってどれくらいだろう。
二ヶ月くらいかな。
ちゃんと数字にしてみるとそんなに経ってない。
知らないことがまだまだあるし、それはむこうだって同じだとおもう。
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