31: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2016/07/18(月) 23:16:32.91 ID:+OtJikMc0
「確かにあれはアタシだねー」
「そうだ、確かに伊吹……」
32: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2016/07/18(月) 23:18:29.30 ID:+OtJikMc0
覚えがあるんだけどどこで知ったのかわからない声が頭の上から聞こえてきた。
その方向を見てみると、どれくらいぶりだろう、懐かしいふたつのおさげがすぐそこにあった。
「えっ、伊吹?」
33: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2016/07/18(月) 23:19:03.51 ID:+OtJikMc0
「いやいや、なんでお前がいんだよ!」
「なんでって、そりゃ用があるからに決まってんじゃん」
34: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2016/07/18(月) 23:19:30.31 ID:+OtJikMc0
「ここがどこかわかってるのか」
「芸能プロダクション」
35: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2016/07/18(月) 23:19:57.75 ID:+OtJikMc0
「先輩の名刺、確かに本物だ……」
「ニセモノ持ってきてどうすんのさ」
36: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2016/07/18(月) 23:20:45.26 ID:+OtJikMc0
「お前のそういうところが……ちょっと席外す」
立ち上がってポケットから携帯を取り出すのを見るに、誰かから連絡があったみたいで、自分のデスクに向かっていった。
37: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2016/07/18(月) 23:21:22.64 ID:+OtJikMc0
「そーだね! ところで、ここにいるってことはもしかしてさ」
「実感ないっすけどね。そういうことっす」
38: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2016/07/18(月) 23:22:02.46 ID:+OtJikMc0
「いやいや、ないっす」
「だってばすっごいかわいい嫉妬じゃん、それって」
39: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2016/07/18(月) 23:23:10.91 ID:+OtJikMc0
「伊吹の言ってることは事実だったみたいだな……」
数分前の兄妹で言い合ってたときのテンションは電波に乗ってどこかに消えたんだろうか。
いつも以上に声のトーンが低いプロデューサーがため息をつきながらソファにどかっと座った。
40: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2016/07/18(月) 23:23:36.89 ID:+OtJikMc0
「ちょっと顔洗ってくる」
言葉も足取りも弱々しいプロデューサーの背中が扉の向こうに消えると、机の上に置かれた携帯が一度鳴った。
電話じゃなくてメールみたいだったし、そのままにしておくことにした。
41: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2016/07/18(月) 23:24:16.02 ID:+OtJikMc0
「沙紀ってさぁ」
次に伊吹が言う言葉はわかる気がするし、できるならそれを聞きたくない。
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