過去ログ - 魔法使い「勇者愛してる」魔王「魔法使い愛してる」
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35: ◆x.6zTnwIjo[saga]
2016/07/20(水) 21:54:28.87 ID:Ov+eE5uhO
王「ところで、これは提案なのだが…負の感情というのは、人の意識から来るものであるはずだ。それならば、魔法で人々を一斉に気絶させるという術はないのか?」

魔法使い「お言葉ですが…対象者を無意識へと導入する、つまり状態を操る魔法というのは極めてデリケートなものです。風邪を引きやすい人とそうでない人がいるように、人の免疫や耐性は十人十色…」

魔法使い「とある人を気絶させるに値する魔力量は、また別のとある方を死に至らしめる魔力量でもあるのです。その微調整の難度はただ強力な魔法の扱いとは比にならない…」

魔法使い「私は畏れ多くもこの世界で最高位の魔道士であると自負しておりますが、その私の技術を以てしても、せいぜい1つの村の住人達の意識を奪う事が精一杯です。」

王「そうか…愚問だったな。だが、それとて可能性はゼロではないはずだ。全世界の魔導機関に取り合い、総力を上げて研究するよう伝えよう。多数の人間を同時に気絶させる魔法…もしも完成すれば光明が差し込むだろう。」

勇者「ですね…ではお願いします。」

王「こちらこそ、明日の集会は頼んだぞ。今日はもうよい、帰って旅の疲れを癒したまえ。」

勇者「はい。」

魔法使い「それではまた明日。」

王は逞しかった。
絶大な力を誇る魔王に決して屈せず、そして逃げ帰った勇者達を責める事もしなかった。
国の長たる王の堂々とした姿勢…それは、勇者達に少なからず希望を与えた。


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